2014.08.20
旧知のＡさんから、「橋下さんが知事になって大阪府は黒字になった、それまで何をやっていたのか」とのお叱りがありましたので、事実を説明させていただきました。
Ａさんは最近、某所での橋下さんの街頭演説を聴かれたようです。
おそらくこの写真のシーンかと思われます。
宣伝カーの上で橋下さんが＜大阪府の一般会計実質収支の推移グラフ＞を示して、
「大阪府は長年、赤字であった、それが僕が知事になった途端、黒字になった、これまで自民、公明、民主、共産は何をやっていたんだ、やればできる、これが大阪都構想です」
という趣旨の演説をされていたようです。
なるほどたしかに、このグラフを一瞥すればそのように思ってしまいがちです。
しかしよく見ますと、
まず橋下さんが大阪府知事に就任されたのは平成２０年２月であり、黒字転換も２０年度からですから、「平成１９年、橋下知事就任後、黒字転換」、という吹き出しは間違っています。
さらに赤字の部分の推移を見ると、
ピークの平成１２年度の赤字、３９５億５２００万円（写真のグラフで、赤いバーが一番下まで伸びているところ）から順次、赤字額が減少し、橋下知事就任の前年度は１２億９３００万円（グラフでは、ほとんど見えない赤字部分）、にまで減少しています。
このグラフの推移からすれば、平成２０年度はどなたが知事になろうとも黒字になることは明らかです。
すなわち、橋下知事就任１年目で黒字になったことは事実ですが、橋下知事が黒字にしたとは言えません。
むしろその前の努力こそが、黒字を実現したことを如実に示しています。
このことは以前に、橋下知事ご自身にグラフを示して説明してあります。
逆に、橋下さんが実質的に腕を揮った結果としての平成２２年度以降は、黒字幅が減少しつつあることをグラフは示しています。
なお赤字減少は太田知事の時代ですが、太田知事が財政改善に熱心であったというわけではなく、当時の自民党、公明党をはじめとする議会が財政危機を訴え、さんざん太田知事の尻を叩いてきたことは府議会の議事録に示されています。
もちろん、このグラフと大阪都は全く関係がありません。
Ａさんは、「よう聞かんと、わからんもんやな」、とおっしゃっていました。
