平成２０年１月の橋下徹さんの初めての選挙は、当時の自民党府議団幹事長として私が取り仕切らせていただきました。
当選が決まり握手をした折に、「選挙は全力で応援したが、これからは知事と議会、是々非々で臨む」と伝えました。
この様子がテレビで放映され、熱烈な橋下さんの支持者から、議員が生意気だと多くの抗議をいただきました。
これは、議院内閣制の国とは違って地方の政治が、それぞれに選挙で選ばれた知事と議会がお互いにチェックし合う二元代表制で成り立っているという、当然のことを申し上げたものです。
ところがその後、橋下さんが自ら政党「維新の会」を立ち上げられました。
知事が政党会派を作って代表となり、その下に議員が入ってしまうことは、知事や行政をチェックする議会の役割を損なうものであり、 二元代表制の否定、議員の自殺行為と申し上げてきました。
その後、今日に至るまで、橋下さんはいなくなりましたが、大阪だけは異常な形が続いています。
本日スタートした東京都議会議員選挙では、小池知事の都民ファースト党が勢いを増していると報道されていますが、もしそうした議員、会派が議会の中心となれば、東京もイエスマン議会になってしまうことが想定されます。
二元代表の制度に照らせば、地方議会には与党も野党もありません。知事のそれぞれの政策提案に対して、それぞれの議員が判断し議決する、本来の形が求められます。
独善は必ず過ちを犯すとの過去の反省に立って、制度設計がなされている意味を、今一度確認する必要があります。
