2013.02.22
一日、大阪府がクリエイション・コア東大阪に開設している、府内全域の中小ものづくり企業のための総合支援拠点であるＭＯＢＩＯ（ものづくりビジネスセンター大阪）を訪問した。
大学や研究機関、企業、関係組織などが一体となって、中小製造業のものづくりを支援している。
２００ブースに飾られた各企業の製品群を見ると、どれも極めて精緻であり、芸術的とも言える美しさを持っており、あらためて我が国のものづくりの実力、とりわけ中小零細企業のすそ野の広さ、高いレベル、がんばりに感動する。
その、ものづくりにも社会の変化、技術の進歩、経済の荒波が押し寄せ、どの企業も厳しい局面を迎え、これまでどおりの対応では立ち行かなくなっており、変化への対応が求められている。
一方で、新しい技術や発想を得て、新たに船出を目指そうとする企業もある。
そうした、がんばる大阪のものづくり企業をきめ細かく支援しているのがＭＯＢＩＯである。
総合相談、ビジネスマッチング、産学官連携、知的財産保護、情報収集、ノウハウの交換、研修、人材育成など、様々な支援事業に努めている。
当日も、第４回 クリアクティブ大阪〜企業課題にクリエイターの発想・スキルで立ち向かう！〜が開催されており、多くの参加者による熱心な意見交換が行われていた。
勉強が終われば、ＭＯＢＩＯ−Ｃａｆｅで缶ビールを傾けながらさらに情報交換を深めるなど、きめ細かい交流、支援活動が展開されている。
ＪＡＸＡ（宇宙航空研究開発機構）がここに設置する我が国唯一の産業連携センターでは、最先端宇宙航空技術の民間転用が進められているし、ダイハツ工業(株)ダイハツ東大阪モビリティ・コラボレーションセンターでは、大阪の中小企業から生み出される製品の、ダイハツ製品への採用が進められている。
経済の活性化、企業支援、とりわけものづくり支援は大阪府の主要課題ではあるが、行政による直接的な支援には自ずと限界があり、多くの関係先、専門家の応援、力の結集が不可欠である。
その支援も、地道な、きめ細かい努力の積み重ねである。
国際戦略総合特区制度のような、大きな、立派な仕掛けも重要ではあるが、今日、明日を支える小さな手当ても、また極めて重要である。
常駐する、大阪府ものづくり支援課の職員は、昼間の職務を終えて後、ＭＯＢＩＯ−Ｃａｆｅの段取り、買い出し、後片づけで、夜遅くまでがんばってくれている。
神は細部に宿る、と言う。
