2012.03.04
過日、縁あってマカオを三度、訪問する機会を得た。
１５年前、７年前と比べた変貌は、刮目に値する。
世界遺産の街は中国本土からの観光客に埋もれ、かつての、大航海時代以来のポルトガルの風情は大いに失われているように感じた。
とりわけ、本土と長大な橋で結ばれたタイパ島の変わり様には驚く。
世界屈指のマカオタワーが完成してすでに久しいが、タイパ島にはさらに次々と大きなホテルやリゾートが建設され続けている。
当初は１カ所だけであったカジノも、すでに３８カ所に増えている。
のぞいてみた新しいカジノは、感覚から言えば大型スーパー４つをひっつけたくらいで、端が見えない。
ここも中国人で埋まり、目をむくような大金が飛び交っている。
それ以上に大きなカジノが最近できたが、カジノで稼いだお金を使ってもらおうと２階３階に一流ブランド店を備え、ベネチアを模した河を流しゴンドラまで浮かべて、施設の端から端まで１．５Ｋｍに及ぶ。
さらに、それを上回る大きなカジノが、そのとなりに建設中である。
さらに、その周りの山を削り海を埋め立てて、さらに用地を増やす大規模開発を進めている。
これも１０年以上前になるが、ソウルのカジノを視察した折り、韓国人は入れないギャンブル場は日本人の若い人たちで溢れ、一万円札が飛び交っていた。
こんなことならわざわざ海外ではなく、日本国内でお金を使ってもらってはどうかとカジノに関心を持ち始め、同様に検討を始めていた東京都に調査にも行った。
東京都は都庁の中に模擬カジノまで作ってアピールしたが、いまだに法改正の動きはないようである。
先般、マカオのカジノ王一族が橋下市長を訪問されたとのこと。
橋下市長もかねてよりカジノ導入に大きな関心を持っておられ、アジア各地のカジノを視察されている。
私自身はギャンブルには一切縁がないが、一定のニーズはあろう。
では、大阪にといわれて、どこが好ましいか。
ただ、マカオのこれほどの規模を見せつけられると、今さら中途半端なものを作っても到底、太刀打ちできないのではなかろうか。
シンガポールを初めとするアジア各国もカジノ建設に向かっている。
中国からの人たちで埋まった巨大でド派手な施設、高額な紙幣が飛び交う光景を見て、果たして我が国の風土に合うものかとの思いも禁じ得なかった。
帰途、香港に立ち寄ったが、ここも建設ラッシュであり、また新たな高層ビルが出現していた。
１１８階、４８４ｍの香港環球貿易ビルが、周りの高層ビル群に囲まれてあまり高くは見えない。
西日本一、大阪関西のシンボルにと騒がれている旧ＷＴＣビルは２５６ｍである。
長さ１．５Ｋｍのカジノ、撮影禁止のためこれが精一杯でした。
